合同ポトンギギ

芸術祭会場で観覧車に乗った日の午前中は、
デンパサール出身の義弟嫁のポトンギギに参列していました。

ポトンギギというのは直訳すると<歯を削る>という意味で、
バリの成人式です。
儀式の中で、実際にヤスリで犬歯を削ってもらいます。

成人式と言っても、日本のように年齢は決まっておらず、
女性ならば初潮を迎えた後、
男性も変声期以降ならば可、といった感じです。

本来、結婚する前に行うのが理想・・・だそうで、
私の周辺だと、兄弟の誰かが結婚する時に、
対象年齢に達した兄弟姉妹や従兄妹でまとめて儀式を執り行う、
というパターンが一般的です。

でも、諸事情から結婚してから行う人も少なくありませんし、
ニェカー(お葬式の最終段階。故人を神格化する儀式)等の、
大きな儀式に便乗して、数十人~数百人単位という、
大勢で行う合同ポトンギギというのも耳にします。

合同で行うと、儀式にかかる諸費用が大幅に削減できますし、
親戚やバンジャール総出で膨大なお供えを自宅で作るという、
手間暇、面倒、気疲れも不要となり、「こりゃラクチン」ということで、
最近は、こうしたスタイルで行う人が増えているらしいです。

義弟嫁の場合、女の子だけの2人姉妹だったのですが、
どちらも、ほぼ同時期にデキちゃった結婚してしまい、
ポトンギギをする間がありませんでした。

妊娠中はポトンギギはできませんので、
2人が第一子の出産を無事に終え、
まだ第二子を妊娠していないこの隙に・・・ということで、
合同ポトンギギに参加することになったようです。

実は、合同ポトンギギを見るのは初めて。

とはいっても、歯を削る場面には両親しか立ち会えず、
噂に聞いていた、
「坊さん、削って削って削りまくってたよ~!」
という合同ポトンギギならではのエキサイトな光景は拝めず、
ちょ~っと残念だったのですが。


2012070301.jpg
今回は、約50人がポトンギギを受けたそうです。
日本では成人式に振袖を着る女性が多いですが、
バリでもポトンギギには、思いっきり着飾るのが最近の風潮です。



こうした衣装のレンタルや着付けにはかなりお金がかかるので、
普通のクバヤ姿の人も数人いましたが、
後ろの方の目立たないところに座っていました。
こういう場面で、経済力の差が目に見える形で出てしまいます。
ただでさえ見栄っ張りなバリ人、若い女の子には切ないかも。

この写真には写っていない?みたいですが、
「死ぬ前にポトンギギを受けておきたい」という、
高齢の女性も参加していました。もちろん、クバヤ姿でした。

あと、かつて政府主導で行われた国内移民計画で、
人口過剰のバリ島から、
開拓民として他の島へ出て行った人達の子弟もいました。
(こちらの言葉で言うところの、Transimigrasiの人々)

移民先でバリ・ヒンドゥ教の通過儀礼を受けられなかった彼らは、
ポトンギギだけでなく、
赤ちゃんの時からの通過儀礼をまとめて合同で受けていました。


2012070305.jpg
自らマイクを片手に握り締めて熱唱・・・ではなく、
えっと、マントラを唱えるデンパサールの高僧(プダンダ)の姿に、
夫はしみじみとカルチャーショックを受けていました。
「ウブドじゃあり得ないよ」と言うのですが・・・?



場所は、サヌールの<Werdhapura>のワンティランでした。
ここはサヌールのビーチ沿いの一等地に広大な敷地を持ちながら、
政府所有で、公共機関の研修センターとして使用されているため、
一般のツーリストには知られていない<謎多き宿泊施設>です。

時々、サヌールのビーチを散歩していて気になった、
というお客様から手配のご依頼が入ることがあり、
その気になれば、旅行者でも宿泊可能と判明していますが、
旅行会社に営業をかけてくるようなことは一切、ありません。

今回、初めて中に入ることができ、
ま~ 確かに、繊細な外国人旅行者にはあまり適さないかも、
と思いましたが、言い換えれば、気を遣わない場所でした。

この日も大型バスで乗りつけたインドネシア人の団体が、
続々とチェックインしていました。


2012070303.jpg 2012070304.jpg
<Werdhapura>前のビーチにあるレストランは、
大人の事情で、もう1週間以上クローズしているとのことで、
椅子もテーブルも「勝手に使っていいよ」状態にあり、
春巻きの行商人を呼び止めて、お食事させていただきました・・・


2012070302.jpg
長い儀式が終わるまでの間、はるかや親戚の子供達は、
ほぼ貸切状態のビーチで遊んでいました。

広く、静かで、清潔で、素敵なビーチでした。




コメント

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サヌールいいですね

クタ~クロボカンエリアはもう慢性渋滞で スタバやバーガーキングなんて ここどこやねん?って店も目だってますけど
サヌールは10年くらい前のバリがまだ残ってるような
タンブリガン通りでしたっけ?ここに入ればバイパスの渋滞ともサラバだし 穴場な感じがしますね。

ビーチもなんとなくのんびりしてるような気が・・・
できればバリがこのくらいの常態やったら いいのになぁ~ため息。

Re: サヌールいいですね

> サヌールは10年くらい前のバリがまだ残ってるような

一時に比べたら、洒落たお店なども増えてはきましたが、
スミニャックのような状態には程遠いですね。


> タンブリガン通りでしたっけ?ここに入ればバイパスの渋滞ともサラバだし 穴場な感じがしますね。
> ビーチもなんとなくのんびりしてるような気が・・・

うちのお客様には、ビーチといえばサヌール、という方が多いです。
クタとかは、疲れますしね。


> できればバリがこのくらいの常態やったら いいのになぁ~ため息。

どこもかしこもどんどん開発が進んで、
見ていて不安になることがありますよね・・・

今人気のシドメンとかも、一昔前のウブドみたいになってきましたから、
いつまで今の素朴さが保たれるのかは、時間の問題のような気が・・・

この施設、政府所有の物だったんですね。
以前から気になっていて、2年前に中を見学しブログにも載せました。
サヌール、行く度に小綺麗な建物が立ち昔の良さがなくなり残念になります。

次回は、サヌール全泊かチャンディダサ半分か思案中です。
それ以降は、チャンディダサ〜ロビナ〜ロンボクが中心になりそうです。
その節は、何卒宜しくお願いします。

Re: タイトルなし

> この施設、政府所有の物だったんですね。

だ、そうです。
研修施設?のようなものも敷地内に建っています。


> 以前から気になっていて、2年前に中を見学しブログにも載せました。
> サヌール、行く度に小綺麗な建物が立ち昔の良さがなくなり残念になります。

サヌールは、あの場末感が味なのですが、
最近、じわじわとモダンになってきましたね。

バリ島やサヌールを訪れる観光客の嗜好が変わってきて、
それを反映しているのだろうと思います。


> 次回は、サヌール全泊かチャンディダサ半分か思案中です。
> それ以降は、チャンディダサ〜ロビナ〜ロンボクが中心になりそうです。
> その節は、何卒宜しくお願いします。

こちらこそ、よろしくお願いいたします。


50人のポトンギギとは、ビックリする多さですね。
先日、グンデルを演奏したポトンギギでも、
7人で「多いねぇ~」って言ってたし…。

でも大勢を一度ですると、大変な準備も手分けできるし、
費用も激安になりそうですよね。
バリ人が「金がないっ!」って言ってる一つの理由が、「儀式」だもんねぇ。

Re: タイトルなし

> 50人のポトンギギとは、ビックリする多さですね。

いや、ちょっと前にブドゥルー(だったかな?)で、
数百人(?)のをやっていたって、聞いたよ。

ウブドのプレボンの時も、かなりの数のをやってたような。

こういうのは、親戚とかじゃないのです。


> でも大勢を一度ですると、大変な準備も手分けできるし、
> 費用も激安になりそうですよね。

合同でやると、お供えはグリヨ任せにできるし、
大勢の人を招待してもてなす費用もかからない。


> バリ人が「金がないっ!」って言ってる一つの理由が、「儀式」だもんねぇ。

この間のバンジャールのオダランも、
なんだかんだで100万円ぐらいかかったらしいよ。



>数百人(?)のをやっていたって、聞いたよ。

すっ、すげ~!
学校の生徒全員と一緒くらいやんか~!!!
でもコレって、意外に割り切りの良いバリ人っぽさかも…。
ポトンギギは絶対にしなきゃいけないウパチャラだし、
費用だってバカになんないもんね。

>合同でやると、お供えはグリヨ任せにできるし、

グリヨってどういう人?

バリも、少しずつ現代化してるよね。
昔は市場でバンタン売ったりしてなかったし、
儀式も近所の助け合いがメインだったけど、最近は「請負業者」がいるって聞くし。
ライフスタイルも会社勤めが多くなって、変わっちゃったからね。
それでも、ウパチャラが無くなることは永遠にないと思う。

Re: タイトルなし

> グリヨってどういう人?

イダ・バグースのおうちのことをグリヨって言うんだよ。
王族の家を、プリとかジェロって呼ぶのと同じ感覚?

結婚式とかも、グリヨでやってもらう人、いるよ。
駆け落ち婚とかね。

子供の通過儀礼もしてもらえる。


> バリも、少しずつ現代化してるよね。

ウブドはまだまだだけど、
デンパサールは昨今のライフスタイルに合わせる形で、
どんどんと変化してきているのを感じる。


> 昔は市場でバンタン売ったりしてなかったし、
> 儀式も近所の助け合いがメインだったけど、最近は「請負業者」がいるって聞くし。

私の以前の下宿先は、その「請負業者」でした。
ダドン・マルシー、もう亡くなったけど。

今は、別の人がしてます。


> ライフスタイルも会社勤めが多くなって、変わっちゃったからね。

そうなの。
ウブドとか、かなり限界な感じ。

皆が田んぼにいったり、絵を描いていた時代と同じにはできない。


> それでも、ウパチャラが無くなることは永遠にないと思う。

ですね。





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