バンジャールのオダラン その4

オダラン2日目。

自分達の神様が別のお寺に滞在中、
その神様を祀る寺院の氏子(お寺だから檀家?)達は、
神様の出張先のお寺まで、参拝に行かなくてはなりません。

近かろうが、遠かろうが、です。

モンキーフォレストのお寺でオダランがあれば、
私達はお供えを持って参拝に行きますが、
今回は珍しく、本家から分家にお越しいただいている関係で、
パダントゥガルの人達が続々と、うちのお寺に参拝にやってきました。

うちの小さなお寺がこんなに大勢の人で賑わうなんて、すごい。
神様もさぞご満悦なのではないかと・・・


さて。
オダランの夜のお楽しみ、娯楽芸能<イレンイレン>は9時開始。
今晩はガムランも踊り手も、全てバンジャールの人達です。

ここで、状況説明なのですが。

大きなバンジャールや、気概のあるバンジャールであれば、
ガムランも踊り手も自前で賄えるところもあります。

我がバンジャールには、個人的に名を知られた芸能家は何人もいるのですが、
いろんな事情(大人の事情だなあ・・・)で、
バンジャール、という単位でのグループを作るのは難しい状態でした。
ルランバタンやトペンの演奏ぐらいならどうにか自前で可能でも、
イレンイレンは到底無理・・・ だったのです。

ルジャンやバリス・グデでさえ普段はなし、どうしても必要となれば、
どこか(通常はバレルン)に協力要請するのが常でした。

マメ知識

【ルランバタン】
お寺で神様のために演奏されるインストゥルメンタル的なガムラン。個人的には<お寺ソング>と呼んでいますが、シンプルな古典音楽が殆どで、技術面でもそんなに難しくはない?らしいですが、装飾過多な現代曲よりも落ち着いた気持ちになれるので、個人的には好きです。
 
【イレンイレン】
寺院に参拝に訪れた人々を楽しませるための娯楽芸能。舞踊が含まれる演目が多く、それらはルランバタンに比べると複雑で、種類も多く、高度な演奏技術を要する曲も少なくないので、より多くの練習が必要となります。

 ・・・と思っているのですが、私自身は芸能の専門家ではないので、間違った解釈をしていたら、ぜひご指摘下さい。


ああ・・・ いつも前置きが長くなってしまいます。

一言で言えば、今回の企画はバンジャールにとっては画期的である、
ということが言いたかったのでした。
(最初から一言で言えよ・・・ ですね。 ←自分で自分にツッコミ)

以下、写真特集でいきます。


20120530_01.jpg
ペンデットを踊る少女達。真ん中はイタちゃん。
今回が踊りデビューという子供達は、これを練習していました。

9時から始まるというのに、6時頃には着付けを済ませ、
キャアキャアとはしゃいで、テンション上げてました。

踊らないはるかも吊られて、一緒にテンションあげてました・・・
(次の機会には踊りなさいよっ)


20120530_02.jpg
始まりました!

まずは歓迎の花撒きの踊りペンデットを、プリアタン・スタイルで。
というか、もともと、プリアタンの踊りだとここの人達は言っています。

裏付けは取れないんですが・・・


20120530_03.jpg
踊り子の数が多すぎて、ステージに乗り切らず。
ステージ下でも踊りを展開。

ザッと数えて、30人ぐらいだったでしょうか?
数で勝負と言えば言葉が悪いですが、かなり迫力ありました。

皆、一生懸命練習しているのを見ていたので、結構感動。


20120530_15.jpg
ガムラン隊。楽器はゴン・クビャールです。


20120530_16.jpg
父子競演。じいちゃんはチェンチェン、夫はレヨン兼スリン隊員。

レヨンは目立たないけれど難しい楽器なので、
上手な人が配置されるんですよ、とヨイショしておきます。

言い換えれば、難しいのに目立たない、貧乏クジ楽器なのか???

じいちゃんはチェンチェンを演奏している時は別人のようです。
実にカッコイイ。あれ、これでは褒めていることにならないか?

舅と夫の他にも、親子競演が複数。
やはり、親が芸能家だと子供も影響されるという傾向はあります。

同時に、才能以上に後見人の有無が大きく影響する・・・
という部分があるのも否定できません。残念だけど、仕方ない。

この辺は、歌舞伎界に通じるものがあるような。


20120530_04.jpg
これは外せない、レゴン・ラッサム。もちろん、プリアタン・スタイルで。

私はレゴン・ラッサムは殆ど、プリアタン・スタイルしか観たことがなく、
たま~にデンパサール・スタイルを観ると、違和感を覚えます。

自分では踊らない素人なので、具体的に違いを指摘できないのですが、
私にとっては、両者は異なる踊りです。

ちなみに、チョンドン役とラッサム役は姉妹だそう。
(チョアリ・ヘンドラワン氏とナシ・チャンプル屋の第?夫人との娘)


20120530_05.jpg
クビャール・トロンポン。チョ・なんたら君と言っていました。
チョがつくから、プリのご子息(王族)ですね。


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左から、はるか、プトゥ、イタ。仲良し3人娘で一緒に鑑賞。


20120530_07.jpg
オレッグ・タムリリンガン。こちらもプリアタン・スタイルにて。
女性はダユウ・インダーちゃんかな? 男性はグンデ・イスワラ君。

グンデ君はバリ芸能の名門の御曹司にしてバンジャールの青年団長、
今回のイレンイレンのために、無償で一生懸命に踊りの指導をしていました。

彼の頑張りには、心から拍手を捧げたいです。
彼が登場するなり、観客が盛り上がったところからも、人気が伺えます。

オレッグも古典の部類に入りつつありますが、
初代のオレッグ舞踊家はまだご健在で、うちのバンジャールにお住まいです。


20120530_08.jpg
ジャウック・マニス。これだけは、他所から呼んだそうです。

ジャウックのクンダンを、若い青年団員(名前は伏字)に叩かせたので、
彼の太鼓デビュー用に呼んだのか??? と邪推。

でも、まだ精進が必要な感じ。頑張ろうね。


20120530_09.jpg
レゴン・ジョボッグ。若い子が踊ると目の保養。
(嫌味のつもりはないんですが・・・ 正直な感想です)

仲良く二人で舞っていたのが、だんだん険悪な雰囲気になり、
大喧嘩になって、挙句、葉っぱでバシバシ叩き、
足で踏みつけにしてしまうという踊り。

・・・と書くとアレですが、実際には格調高く、気品のある踊りです。

題材はラマヤナに出てくる猿王兄弟スバリ・スグリワの逸話のはず。
(もし違っていたら、スミマセン)


20120530_10.jpg
レゴン・ジョボックのクンダンは、チョアリ・ヘンドラワン氏。

今回はお目付け役であり、演奏には参加していなかったのですが、
ここでクラシックの御大登場。

彼のクンダンはやはり天下一品。場が引き締まります。

チョアリのクンダンと、じいちゃんのチェンチェンの組み合わせ、
親父コンビがいい味出してます・・・ (限りなく私的な感想)


20120530_12.jpg
いきなり、真横からテレックが、
「はいはい、そこどいて~」と入ってきたのでちょっとびっくり。


20120530_13.jpg
テレックは12人。
やはりステージに乗り切らず、ステージ下でも踊りを展開しました。

トペンをつけているにも関わらず、イタちゃんは自分のお姉ちゃんを発見。
「あれがお姉ちゃん」と教えてくれました。


20120530_14.jpg
オールキャストの完全版テレックでした。
こういう、古典の香りの漂う踊りは好きです。




今回、バンジャールに数多くいる大御所舞踊家の起用はなく、
子供や青年団員が中心となって練習したので、
素人も多く、飛び抜けて上手いというわけではないけれど、
オダランのイレンイレン(娯楽芸能)の原点がここにある、
という感じで見ていて非常に楽しいステージでした。

心温まる・・・というのか?
内輪ウケ・・・地元のイベントですから、本望かと。

奇をてらったクリアシではなく、
オーソドックスな正統派プログラムで勝負したのも、
プリアタンの矜持が感じられて良かった。(← クラシック愛好家)

こんなに楽しめるイレンイレンを観たのは久しぶりでした。


コメント

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興味深い写真、たくさんUPしてくれてありがとう。

Wijaとチョ・アリの共演なんて、やっぱりバンジャールならではですね~。
4枚目の写真のウガル、Wika(Wijaの息子)かな?

Re: タイトルなし

noeさん

> Wijaとチョ・アリの共演なんて、やっぱりバンジャールならではですね~。

facebookでも書いたけど、地縁は強し。


> 4枚目の写真のウガル、Wika(Wijaの息子)かな?

ウィカは基本ウガルで、一部の曲でクンダンを叩いてたよ。
かなり、緊張していたみたい。

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